一心作 将棋の駒と駒箱になります。
おそらく、昭和二十年代頃の駒かな、と思います。
駒箱が、長方形でかなり昔のタイプです。
(駒型が小さめです。)
たぶん、山形県の駒師だと思いますが、書体からまだ天童上彫りが、確立されていない時代の作品だと思います。
金将は金龍書的で、銀将は宗歩好書的で、香車の裏は昭玉書的で珍しいです。飛車と角行の裏が、金龍書のようですので、全体的に金龍書を少しアレンジしたもののようです。ここから、少しアレンジして天童上彫りの書体になったのかな、と思います。
また戦前の木村文俊作の金龍書は、こちらの駒の書体とほぼ同じで、木村文俊作品の影響が少なからずあったのかな、とも思います。
一心作の作品は、とにかく筆で書いたような繊細な彫りが特徴で、金将、銀将のはねの部分は、とにかくすごいです。字母紙を貼って、という感じはなく、センスがすごいのでしょう。
駒を駒箱に入れて、お送り致します。
(平箱は、付きません。)
角行の一枚にヒビがあります。(写真12枚目)
使用品に付き、指し傷はあります。
瀬戸磨きをしましたので、駒が輝いています。
一心作で、駒が揃っているのは、かなり珍しいです。中々、目にする機会のない駒だと思います。
この機会に是非、よろしくお願い致します。